「のど」の違和感

2022.09.06

 「のど」に何か張り付いている、痰が「のど」にまわるなど、「のどの違和感」を訴える人が多数来院します。この、「のどの症状」の原因は何でしょう?

 忘れてはならないのは、腫瘍性病変です。声を出す声帯、食べ物の通過路である咽頭、食道などにできる腫瘍、特に悪性腫瘍は見逃してはなりません。しかし、実際にはそのような症例はごくわずかです。「のどに痰がまわる」と聞いて、まず思い出すのは副鼻腔炎・蓄膿症でしょう。確かに、副鼻腔炎があって、鼻からのどに痰がまわっている(後鼻漏といいます)方もいます。この検査には副鼻腔CTが有用です。鼻のつきあたりを上咽頭(新型コロナウイルスの抗原検査では、綿棒を鼻から上咽頭まで挿入して検査をしますね!)といいますが、ここの慢性炎症でも、のどの違和感や痰の症状が起こります(慢性上咽頭炎)。慢性炎症の原因は様々だと思います。アレルギーもその原因の1つですが、それほど多くはないようです。多くは、おそらくウイルス感染や細菌感染を契機に、慢性的に炎症が続いている状態でしょう。他には、胃酸が食道や咽頭(のど)まで上がってくる「逆流性食道炎」や「咽喉頭逆流」が原因になっていることも少なくありません。ストレスなどの精神的要因でも「のどの違和感」は出現します。のどは、食べ物の通り道であると同時に、呼吸の通り道です。ここを障害されると人間は生きて行くことができないため、細やかに神経が張り巡らされているのだと思います。当院では、「のどの違和感」で来院する方に対し、副鼻腔CTや内視鏡検査などによって原因を総合的に判断した上で、それぞれに適した治療を行っています。心配な方、来院をお待ちしております。