常識は変わる!!

2024.12.19

12月14日の土曜日を休診にさせていただき、「第12回日本アレルギー学会関東地方部会」に参加させていただきました。いつもながら、皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。

今回は、教育セミナー「Type2炎症性疾患に関する治療戦略」の座長を務めさせていただきました。座長というのは、司会みたいなものです。

近年、炎症はType 1から3に分類され、今回のテーマであるType 2炎症性疾患には、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎などのアレルギー性があげられ、一方、Type 1炎症は主にウイルス感染に、Type 3炎症は細菌感染や真菌感染に関係があります。

さて、ややこしい話はこれくらいにして、今回参加して感じたのは、常識は絶えず変化しているということです。

私は、現在開業して3年半ほどになりますが、その頃、食物アレルギーについて盛んに議論がなされていました。特に、「食物アレルギーの感作は皮膚から起きる!」ということが次第にわかってきていました。例えば、「クルミアレルギーの子供は、乳児期に皮膚からクルミの成分が吸収されて感作が生じ、クルミの食物アレルギーが発症する」というわけです。この概念は今でも変わりありません。そして、「乳児期に保湿剤を使ってスキンケアをしっかりすることで、皮膚が防御され、食物アレルギーの発症が抑制される」と考えられることから、乳児期の保湿ケアが盛んに推奨されていました。乳児湿疹やアトピー性皮膚炎のお子さんではなおさらです。しかし、近年、それに対して否定的な論文が多く出されているそうです。すなわち、「乳児期に保湿剤を使用した群と、使用しない群で、食物アレルギーの発症率は変わらない」そうです。実際には、人種、遺伝、気温、環境など、さまざまな要因が結果に影響を与えるでしょうから、まだ、結論を出すには早計かと思いますが、学会に参加して、最新の情報に触れることの重要性を新ためて認識した次第です。でも、個人的には、保湿は重要ではないかと考えていますけど。。。

開業すると、学会に参加する機会は減少しますが、これからも、ときどきは最新の情報に触れる機会を作っていかなければ、と思った次第です。