信州感染症セミナー参加報告 (新型コロナウイルス関連)

2024.12.02

11月28日木曜日の夜、開催された信州感染症セミナーに参加してきました。その報告です。

 当初、得体の知れなかった、新型コロナウイルス感染症もすっかり耳になじみ、最近では人込みでもマスクをしない人が増えてきました。しかし、まだまだ油断がならないのが新型コロナウイルスです。最近になって新たな株が出現し、日本でも1月後半から2月に再度感染症者の増加が予測されているそうです。今回の感染症セミナーは、信州大学耳鼻咽喉科の工教授を座長として、大阪北野病院呼吸器科の丸毛先生、東京大学耳鼻咽喉科の上羽先生が講演されました。

 丸茂先生は、新型コロナウイルスの後遺症についてお話されていました。味覚・嗅覚障害は後遺症として皆さんもご存知かと思いますが、その他に慢性疲労症候群、post-exertional malaise (運動後に疲労感や倦怠感が抜けなくなる)、マスト細胞活性化症候群など、聞きなれない疾患などもあります。Brain-fog:すなわち頭がボートして考えがまとまらない症状を起こす人もいます。以前は新型コロナウイルス感染症の10-20%の人に後遺症が出現すると言われていましたが、現在では7%程度だそうです。7%、決してあなどれない数字ですね。その発症機序には、ウイルス感染後のウイルスの長期残存や、ウイスるの中枢への移行、セロトニン濃度の低下、など、いくつかの説が想定されていますが、未だに明らかにされていないようです。罹患時に、抗ウイルス薬を使用すると、後遺症の発症率が半分程度に抑制されるとのことです。また、ワクチン接種も後遺症の発症を抑制するとのことです。しかし、何よりも、まずは感染しないことが重要ですね!

 上羽先生は、新型コロナウイルスにおける嗅覚障害、声帯炎、声帯麻痺、嚥下障害などをお話されていました。嗅覚障害では、異嗅症といって、変なにおいがするという症状の方が、通常の風邪による嗅覚障害よりも多いとのことです。いつも、こげくさいとか、臭いにおいがするなどがあれば、もしかすると新型コロナ感染後遺症かもしれません。嗅覚障害自体は、コロナ感染後半年以上続くのは5%程度で、多くは治癒するようです。

 以上、簡単ですが、講演内容をまとめてみました。受け売りで申し訳ありません。