耳鼻咽喉科臨床学会で学んだこと2 地域医療

2024.07.14

前回の学会で学んだこと1の続きです。

前回のコラムをまず読んでくださいね!

そして、今回は印象に残った、もう一つの講演、「地域医療 やぶ医者の挑戦~ひともまちも元気にする新しい地域医療を目指して~」について、簡単に報告します。

 演者は、福井大学医学部地域プライマリケア講座の井階友貴先生。この先生、自称「人口減少の地域と日本を救うべくまちに繰り出す “まちづくり系医師” とのこと。なんと、福井県高浜町のマスコットキャラ“赤ふん坊や(下図)”に扮して登場された。このマスコットの着ぐるみを町から借りて、日本中いや、ニューヨークやシンガポールにも訪れ写真に納まっていた。と、いってもふざけているわけではなく、いや、確かに変わった先生との印象はぬぐえないが、まじめに地域住民の健康について考えておられる。先生がおっしゃるには、健康にはソーシャルキャピタル(地域の絆・つながり)がとても重要とのこと。住民、行政、専門職、等が、月に1回まちなかのコミュニティースペースに集まり、皆でできそうなことをしゃべり、それを実行に移す!。「赤ふん坊や体操」を作り、子供から大人、そして高齢者まで皆で体操し、健康を維持する、皆が集まる「高浜★わいわいカフェ」を企画するなど、多くの人がかかわることで健康を維持する取り組みを紹介されていた。人とのふれ合いがなくなると、人間健康寿命が短くなるとのこと。禁煙よりも(禁煙と同等に?)、さらに人とのふれあいが大事とのこと。いわれて振り返ってみると確かに、日々病気ばかり診て、それを治すことにばかり目を奪われている現実。これから、数十年でどんどん人口は減っていきます(想像以上のスピードで)。周りとのつながりが希薄にならないように、皆さんも気をつけてくださいね。さて、どなたか、ご一緒に飲みにいきましょうか?