めまいに、難聴や耳鳴、耳閉感などの耳の症状が随伴する疾患で、他の脳神経の異常は伴いません。めまいはあたりの景色がまわる回転性であることが多く、持続時間は10分程度以上から数時間と様々です。かの有名な画家であるヴィンセント・ゴッホもメニエール病を患っていたのではないかと言われています。
内耳のリンパ液の過剰な生産や吸収障害による内リンパ浮腫が原因と考えられています。最近では一部大学病院などの専門施設で造影MRIが診断に利用されています。
内リンパの貯蔵
内耳を満たす内リンパが過剰になる(内リンパ水腫)と、内耳の働きが異常となりめまいを生じる。
めまい発作時の急性期治療 抗めまい薬や制吐薬、鎮静薬などを用います。
めまい間欠期の治療薬 内耳循環改善薬、内リンパ浮腫治療薬などを用います。そのほかに、水分大量摂取治療や有酸素運動なども奨められています。
中耳加圧療法は1970年代よりスウェーデンを中心として行われてきた治療法であり、日本では2018年9月より保険適用となった治療法です。
対象は、通常の薬物治療に抵抗してめまい発作を繰り返す重症度が高いメニエール病および遅発性内リンパ水腫(メニエール病に似た病気で、片耳に高度難聴がある場合に生じる)です。中耳加圧療法の機器は、当院より貸し出すことができます。機械の貸し出しを受けた患者さんは、毎日3分間2回ずつ耳にチューブをあてて治療します。自分のめまいの状態を自宅で日誌に記載してください。4週間に1度程度の受診をお願いします。1年程度継続し、治療効果により継続使用の判断をします。(第一医科器械の中耳加圧装置)